第35回(令和4年度) 問題22

第35回(令和4年度) 問題22
廃用症候群(disuse syndrome)で起こる可能性があるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 1 うつ状態
  • 2 高血圧
  • 3 関節炎
  • 4 徘徊(はいかい)
  • 5 下痢

解説

廃用症候群

使わなくなった機能が低下すること。

具体的にいえば、過度の安静や活動量の低下によって身体的・精神的な機能が低下した状態のこと。高齢者に起こりやすい

・起こりやすい症状として、

  • 褥瘡
  • 関節の拘縮(こうしゅく)
  • 筋肉の萎縮
  • 起立性低血圧
  • うつ状態
  • 骨粗鬆症(骨がもろくなる)

などがあります。

・予防策として、

  • リハビリテーションで離床を早期から行う
  • 個別レクリエーションを取り入れて日中の活動を促進する
  • 2時間ごとの体位変換

などがあります。

廃用症候群についての問題は、起こりやすい症状やその予防策についての問題が出題されています。過去にはそれらの正しい組み合わせについての問題も出ているので、「何」が「ナゼ」起きるのかを理解しておきましょう。

この問題では、使わなくなることでこころの機能も低下することが頭に入っていればすぐに解けますね。

1 うつ状態

人や社会との関わりが減ると、やる気をなくしうつ状態になることがあります。閉じこもりがちな高齢者にも起こりやすい症状です。廃用症候群では肉体的な問題だけが起こるわけではないことを覚えておきましょう。

×2 高血圧

廃用症候群では高血圧は起こりにくいです。廃用症候群で起こりやすい起立性低血圧の反対として用意された選択肢でしょう。

×3 関節炎

関節炎は、どちらかといえば関節の動かしすぎ(過活動)によって引き起こされます。廃用症候群では動かさないことによる関節の拘縮が起きます。

×4 徘徊(はいかい)

徘徊は認知症のBPSD(行動・心理症状)として見られます。からだは動いているので廃用症候群の症状とは違います。

×5 下痢

廃用症候群の症状としては見られません。下痢は、ウイルス感染や消化不良、ストレスなどで起こります。腸の動きが異常に活発になっている状態というところからでも違うと想像できますね。

廃用症候群では便秘が起きやすいことも過去に出題されましたので覚えておきましょう。

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