介護保険制度の目的

ポイント
  • 社会全体で助け合う
    →社会保険制度のシステムで介護の負担を軽減する
  • その人らしさを生かした支援をする
    →尊厳の保持・自立支援・本人の意思の3つが大事なキーワード

介護が必要な人を社会全体で支える

高齢者の介護が社会的課題に

介護は家族ですることが当たり前の時代がありました。でも・・・

高齢化

核家族化(親と子供だけの世帯のこと)

高齢化や習慣の変化で家族介護中心のスタイルが難しくなります。

「介護の社会化」が必要だ。

2000年~ 介護保険制度の開始

介護保険制度は新しい社会保険制度のひとつとして2000年から始まりました。

社会保険制度は強制加入!

社会保険制度のシステムを使うことで、いずれ必ず訪れる介護が必要になった時の、本人とその家族の負担を軽くすることを目的の一つとしています。

40才になったら

介護保険料を払い

介護が必要になったときの

(本人とその家族の)
負担を減らす

介護保険法第1条には、「国民の共同連帯」という言葉出て来ます。「助け合い」を強制的にやらせているわけです。強制にしないと機能しないので仕方がないです。

介護保険法第1条
~必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け~

社会保険制度ってなに?

「保険」の仕組みを公的な制度として導入したもの

そもそも「保険」とは、同じリスクを抱えた人々が費用を出し合って、もしものときに保障を行うという「共助」の仕組みです。病気になる、失業する、介護が必要になるなどの生活に関連するリスクに対しての保険を、行政が行い強制加入としているものが社会保険制度と考えてください。

介護が必要な人の自立を支える

介護保険法第1条には、介護保険制度の大事な理念が書いてあります。

介護保険法第1条
~尊厳を保持し、その有する能力に応じて、自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療・福祉サービスの給付を行う~

短めにまとめるとこうなります。

その人らしさを生かして支援しましょう

介護というのが単なる身の回りのお世話ではなく、その人の持っている能力を生かして自立を支援するということです。

最後に、3つの大事なキーワードがあるので覚えておきましょう。

尊厳の保持

その人を一人の人間として大切に想うということです。自分がやられたくないことはやらない!

自立支援

その人の持っている力を生かして支援するということです。すべて一人でやってもらうという考え方ではありません。

利用者本位

本人の思いを尊重するということです。

「自立」ってどういうこと?

ここでの「自立」とは・・・

×助けを借りずに暮らすこと ではなく
必要な助けを借りながら、持っている能力を生かして自分の望む生活を送る

という意味です。

国試の過去問に挑戦!

第30回(平成29年度) 問題10
介護保険法第1条に規定されている内容に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 1 高齢社会対策の基本理念や基本となる事項を定める。
  • 2 福祉サービス利用者の利益の保護及び地域福祉の推進を図る。
  • 3 介護が必要となった者等が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営めるよう、保険給付を行う。
  • 4 疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行う。
  • 5 老人の福祉に関する原理を明らかにし、老人に対し、心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じる。
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