【過去問解説】介護福祉士の職業倫理

令和3年度 問題24
介護福祉士の職業倫理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護が必要な人を対象にしているため、地域住民との連携は不要である。
2 全ての人々が質の高い介護を受けることができるように、後継者を育成する。
3 利用者のためによいと考えた介護を画一的に実践する。
4 利用者に関する情報は、業務以外では公表してよい。
5 利用者の価値観よりも、介護福祉士の価値観を優先する。

介護福祉士の職業倫理

介護福祉士が専門職としてどう行動するべきかを示したものです。

日本介護福祉士会による倫理綱領には

  • 利用者本位・自立支援
  • プライバシーの保護
  • 連携・協力
  • 後継者の育成

などが示されています。

倫理綱領が頭に入っていれば難なく解ける問題ですが、一般的な道徳にしたがって問題をみれば知識がなくても選べる選択肢は一つのはずです。

問題のつくりは、正しいことをいっている選択肢1つと、間違ったことをいっている選択肢4つです。こういう問題の間違った選択肢の作り方は、正しいことと逆の表現で誤答をつくる方法が多いです。

1の選択肢の「不要である」、3の選択肢の「画一的に」、4の「以外では~よい」、5の「よりも~優先する」というネガティブな文言は誤った選択肢を作成するためにあえて使われています。選択肢の中でネガティブなことを言っていないのは2だけ。改めて2を読んでみると、間違ったことは言っていなさそうですね。そんな考え方もできます。

正解

解説

1 介護が必要な人を対象にしているため、地域住民との連携は不要である。
→×

倫理綱領に関係するすべての人や組織と連携・協力することが示されています。


2 全ての人々が質の高い介護を受けることができるように、後継者を育成する。
→〇

倫理綱領に後継者の育成に力を注ぐことが示されています。


3 利用者のためによいと考えた介護を画一的に実践する。
→×

倫理基準(行動規範)では、利用者の心身の状況を的確に把握し、根拠に基づいた介護福祉サービスを提供することが示されています。画一的とは、個別化の原則とも相反する考え方です。


4 利用者に関する情報は、業務以外では公表してよい。
→×

プライバシーの保護、守秘義務の観点からダメです。


5 利用者の価値観よりも、介護福祉士の価値観を優先する。
→×

倫理基準(行動規範)では、「介護福祉士は、自らの価値観に偏ることなく、利用者の自己決定を尊重します」としています。支援者側の考え方しか入っていない考え方はすべて問題で×です。

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