【過去問解説】軽度認知障害

令和3年度 問題79
軽度認知障害(mild cognitive impairment)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 本人や家族から記憶低下の訴えがあることが多い。
2 診断された人の約半数がその後1年の間に認知症(dementia)になる。
3 CDR(Clinical Dementia Rating)のスコアが2である。
4 日常生活能力が低下している。
5 治療には、主に抗認知症薬が用いられる。

軽度認知障害

認知症には至らないが、記憶力の低下などがある状態。基本的な日常生活には支障がない

軽度認知障害に関する問題は度々でています。最低限覚えるべきポイントは、記憶力の低下から始まること日常生活には影響がないことです。軽い認知症という意味ではなく、認知症になる手前の段階というイメージです。健常な状態と認知症の中間の状態で、適切な予防をすることで健常な状態に戻る可能性があります。

難しめの選択肢もありますが、キーワードが分かっていれば正しい選択肢を導き出せるでしょう。

厚生労働省のパンフレットが参考になります。(https://www.mhlw.go.jp/content/001100367.pdf

正解

1 

解説

1 本人や家族から記憶低下の訴えがあることが多い。
→〇

記憶力の低下が原因で受診する人が多いです。



2 診断された人の約半数がその後1年の間に認知症(dementia)になる。
→×

診断を受けてからすぐに認知症になる人はそれほど多くはありません健常な状態に戻る人も一定数いるので、認知症の予防対策がカギとなります。



3 CDR(Clinical Dementia Rating)のスコアが2である。
→×

難しめの選択肢です。軽度認知障害(認知症の疑い)はCDR:0.5なのでバツです。

軽度認知障害の問題でCDRに関する選択肢が何度か出ていますが、介護福祉士国家試験で細かい数値まで求められる内容ではないので、健常がCDR:0、認知症が1~3くらいのざっくりしたイメージだけ持っておきましょう。

CDR

認知症の重症度を判定するための検査で、5段階で評価される。



4 日常生活能力が低下している。
→×

軽度認知障害では日常生活には支障が出ないのが特徴です。



5 治療には、主に抗認知症薬が用いられる。
→×

軽度認知障害では、生活習慣の改善や生活の質を高めるための運動やトレーニングでの予防対策が行われます。

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