令和2年度 問題98
健康な人の体温に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 高齢者の体温は小児より高い。
2 早朝の体温が最も高い。
3 腋窩温(えきかおん)は口腔温(こうくうおん)より高い。
4 体温調節中枢は視床下部にある。
5 環境の影響を受けない。
平熱といわれるものは個人差があり、普段の体温を知っておく必要があります。
体温の特徴としては以下のようなものがあります。
- 早朝が最も低く、夕方が高い
- 年を取るにつれて低くなる傾向がある
→特に赤ちゃんは高い - 脳の体温調節の中枢は視床下部
簡単なようにみえて、選択肢がやや難しい問題です。正解は選択肢4ですが、脳の各部位の働きについて覚えていなければいけません。苦手意識がある受験者が多いところですが、脳の機能に関する知識問題は割と出題されるので覚えておきたい内容です。
わからなかった場合は消去法で導き出すしかありませんが、体温の特徴のキーワードが分かっていれば十分に解けます。選択肢5はネガティブワードで選択肢が作られていますね。おなじみの誤った選択肢の作り方です。
正解
4
解説
1 高齢者の体温は小児より高い。
→×
体温は年を取るとわずかに下がっていくことが知られています。特に小児の体温は37℃前後あり、あきらかに高齢者よりも高いです。よって×です。
2 早朝の体温が最も高い。
→×
健康な人の体温は早朝が最も低く、夕方が最も高くなります。よって×です。
3 腋窩温(えきかおん)は口腔温(こうくうおん)より高い。
→×
腋窩(わきの下)での体温測定は、疑似的に体の中のような温度を作り出す方法です。実際には体の中の方が温度は高いです。体温測定の場所としては、わきの下→口の中→お尻の中の順で温度は高くなります。
4 体温調節中枢は視床下部にある。
→〇
間脳の視床下部は、体温・ホルモン分泌・睡眠の中枢であることもあわせて覚えておきましょう。
5 環境の影響を受けない。
→×
まわりの影響をうけて体温調節を行っています。暑い時は汗をかいて体温を低下させ、寒い時は体を震わせて体温をあげようとする機能が備わっています。
問題の作り方としては、「体温は環境の影響を受ける」という正しい文章をネガティブにかえて誤答をつくりだしています。ネガティブキーワードには注意です。