口(口腔)は、食べることや呼吸、コミュニケーションでも使われ人として大切な機能を持ちます。老化によって唾液の減少や咀嚼機能の低下などが起こり口の機能は低下しやすくなるため、適切な口腔ケアによって機能の回復と維持が必要です。自力で行うのが難しい場合は支援する必要があります。
- 誤嚥性肺炎を防ぐ
- 奥から手前に向かって行う
- 経口摂取をしていなくても口腔ケアは行う
- 義歯を外すときは下→上、入れる時は上→下。
口腔ケアの意義
虫歯(う蝕:うしょく)や歯周病、誤嚥性肺炎の予防、口臭の改善、唾液の分泌の促進などの効果があります。総義歯でも口腔ケアは重要です。
本人が出来るならばやってもらうことが基本です。脳の機能の活性化や生活リズムを整える効果が期待できます。
口腔ケアの手順
体制は基本的には座位で、ベッド上で行う場合でもギャッチアップなどをして首が後屈しないように行います。
うがいができる場合は、ブラッシング前のうがいが効果的です。
使用するのはヘッドが小さく柔らかい歯ブラシがいいです。うがいができない場合や総義歯の場合はスポンジブラシを使用する場合がありますが、ムセや誤嚥を防ぐため水をよく絞ってから使用します。
ブラッシングは細菌が喉の奥に行かないように、奥から手前に向かって行います。
舌の汚れである舌苔は、細菌の繁殖や口臭の原因になったりするので、できる限り取り除きます。舌苔も奥から手前にブラッシング。
口腔ケア後の口の中は、湿った状態を保ちます。口の中が乾燥している人には唾液腺マッサージを勧めると良いです。
経管栄養を行っていて経口摂取をしていない場合でも口腔ケアは重要です。経管栄養終了後すぐは嘔吐の危険もあるため30分くらい経ってから口腔ケアを行います。
義歯の取り扱い
適切な義歯(入れ歯)を使用することで、咀嚼などの口腔機能の回復や、話す言葉が明瞭になるなどの効果があります。半面、洗わないと細菌が増えやすかったりするので、丁寧に洗浄して取り扱わなければなりません。
総入れ歯の場合、外すときは下の歯から、入れる時は上の歯から入れた方が入りやすいので覚えておきましょう。上野入れ歯を外すときは最初に奥側を下げるようにして外すと良いです。
基本的には就寝時以外には着けたままにします。つけていないと合わなくなってしまうからです。
入れ歯は毎食後に外して洗浄します。専用のブラシでしっかり洗ったほうが良いですが、歯みがき粉などは使いません。入れ歯は壊れやすいです。事故を防ぐため水をはった桶の上などで洗いましょう。
乾燥によって変形してしまうので、全体を水につけて保管します。熱にも弱いので熱湯は使いません。
▼国試過去問
35-84 34-38 34-40 33-38 27-45 26-43 24-47