オレンジプランとは、認知症に関する国の取り組みのことです。認知症を正しく理解して、認知症の人に優しい社会を作ることが大きな目的です。認知症サポーターが腕に付ける「オレンジリング」が名前の由来です。
最近の認知症に関する国の取り組み(施策)は、以下の3種類があります。
- オレンジプラン(2013年)
- 新オレンジプラン(2015年)
- 認知症施策推進大綱(2019年)
それぞれの施策の内容と目的は、以下のようになります。
オレンジプラン(2013年)
最初のオレンジプランは、2013年に作られました。7つの柱と呼ばれる考え方があり、認知症への理解、予防・早期対応などで構成されています。
そのなかで、認知症ケアパスの作成や、認知症初期集中支援チームの設置が市町村に求められるようになります。
オレンジプラン(2013年)の7つの柱は、以下のとおりです。
- 標準的な認知症ケアパスの作成・普及
- 早期診断・早期対応
- 地域での生活を支える医療サービスの構築
- 地域での生活を支える介護サービスの構築
- 地域での日常生活・家族の支援の強化
- 若年性認知症施策の強化
- 医療・介護サービスを担う人材の育成
オレンジプラン(2013年)の目的は、認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるように、医療・介護・福祉の連携を強化することです。
新オレンジプラン(2015年)
新オレンジプランは、2015年に作成されました。基本的な考え方はオレンジプランと同じで、さらに認知症への理解を普及啓発していく取り組みが進められます。そのなかで、各地での認知症カフェの実施も進められていきます。
新オレンジプランの7つの柱は、以下のとおりです。
- 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
- 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
- 若年性認知症施策の強化
- 認知症の人の介護者への支援
- 認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
- 認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
- 認知症の人やその家族の視点の重視
新オレンジプランの目的は、認知症の人がその人らしく生活し続けられるように、社会全体で認知症に対する理解を深めることです。
認知症施策推進大綱(2019年)
オレンジプランの考え方を引き継ぐ、取り組みとして、2019年に認知症施策推進大綱が作られています。
認知症の予防、認知症の人との共生の2つをおおきな目標に掲げています。
認知症施策推進大綱の7つの柱は、以下のとおりです。
- 認知症の予防の推進
- 認知症の人との共生の推進
- 認知症の人の意思や人格を尊重した医療・介護の提供の推進
- 認知症の人の介護者への支援の推進
- 認知症の人の社会参加の推進
- 認知症の人の安全・安心の確保の推進
- 認知症の人やその家族の視点の重視
認知症施策推進大綱の目的は、認知症の人が自分の人生を主体的に生きることができるように、認知症の予防と共生を推進することです。