マズローは、人間の欲求は5つの段階で作られていると説明しました。それはピラミッドのようになっていて、下の方は生きものとして生きていくための基本的な欲求で、上の方は自分が人間として成長するための欲求です。下にある欲求をある程度満たさないと上の欲求にすすめないと説明されています。
この理論は、高齢者の「生きがい」を考える時に参考になります。生きる意欲につながる自分自身の向上という1番上に位置する欲求のためには、下にある欲求を満たせるような支援をしていかなければなりません。
生理的欲求
第１段階は、無意識に考えている生き物として最低限必要になる欲求です。食べる、眠る、子孫を残すのほか、排泄や呼吸なども生理的欲求です。
安全欲求
第２段階の「危険や苦痛を避けて安心したい」という思いです。
衣食住でいうところの、「衣」と「住」がそうです。生きものとして生きていけるなら、誰しも快適な服を着て、安全な家で暮らしたいと願いますよね。
第１段階と第２段階は人間の本能的な欲求です。
所属・愛情欲求
第３段階は、「仲間に受け入れられたい」という思いです。
本能的な欲求が満たされたら、家族や社会、組織の一員として認められ、愛されることで満足したいと考えます。
自尊・承認欲求
第４段階は、「褒められたい」という思いです。
周りから自分の能力を認められて褒められることもそうですが、自己評価を高めて満足したいという思いも生まれます。
自己実現欲求
最後の第５段階は、「自分自身を高めたい」という思いです。
自分らしさを追い求めるという、人間としての究極の欲求です。
これらの欲求が満たされたとき、人は「生きがい」を感じることができます。