筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせい そくさく こうかしょう:ALS)
脳からの「筋肉を動かせ」という命令を伝える機能(運動神経のはたらき)が破壊されることで、使われなくなった筋肉の機能がしだいに低下していく病気です。
症状
- 四肢の運動障害
- 構音障害
- 嚥下障害
- 呼吸障害
手足が動かしにくいことから始まり、進行するとからだを動かすことが難しくなります。呼吸の筋肉も衰えるため人工呼吸器が必要になります。
飲み込みが悪くなったり、ろれつが回らなくなるなどの球麻痺症状も特徴です。
延髄の障害によって口・舌・喉の筋肉にマヒや委縮がおきること。延髄のカタチが球に見えることから。
保たれる機能
- 感覚機能
- 目の動き
- 排せつ機能
視力・聴力などのいわゆる五感は保たれます。また、眼の筋肉のマヒはないことが多く目の動きは保たれます。発語が困難になっていくので、コミュニケーションには目の動きで伝える透明文字盤などを使うことがあります。
▼国試番号
34-90 34-120 34-121 32-93 29-90 28-92
筋ジストロフィー
遺伝子の異常によって筋線維に変性が生じて、筋肉が壊れやすく再生されにくくなることで筋力が低下していく病気の総称です。
いくつかの種類がありますが、デュシェンヌ型が最も多い類型です。デュシェンヌ型では下半身の筋力低下から始まり、筋肉を使う動きがしだいにできなくなっていきます。食事動作など大きい筋肉を使わない動作は、比較的最後までその能力を保つことができます。
▼国試番号
33-92 26-118 26-119
脊髄小脳変性症
小脳のはたらきが障害をうけて、からだを上手く動かせなくなる病気の総称です。
症状は下のような運動失調です。
- 歩行がふらつく
- 手がうまく使えない
- ろれつがまわらない
動かせるけどうまくできない状態。
酔ったような不安定な歩行をする失調性歩行が見られます。頻繁に移動する場所には手すりを設置して移動できるようにすると効果的です。
発声に必要な筋肉も動かしにくくなり、うまく話すことができない言語機能障害も起きます。
▼国試番号
35-7 30-93 31-37 24-102